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ITU デジタルワールド 2021 ビジュアルレポート

2022. 5. 1

日本ITU協会 専務理事 田中和彦

ITU テレコムワールドは、2019年までITU加盟国各国で開催されて来ましたが、前回に引き続きCOVID-19感染状況の影響で、ホスト国ベトナムの意向によりITU デジタルワールド2021という名称でオンラインイベントを中心に2021年9月より12月まで開催されました。

ITU HPの映像、ITU提供資料によりビジュアルレポートとしてご覧に入れます。

開会式模様

 1.開会式

2021年10月12日にベトナム ハノイで開会式が開催されました。

開会にあたりファム・ミン・チン首相は、本イベントが、デジタルトランスフォーメーションとデジタル技術の価値探求によりデジタル経済と全世界の人々に貢献するであろうと期待を込めた挨拶を述べました。

ジャオITU事務総局長は、本年がITUテレコムワールド50周年であり、この50年の歴史を通じて、ザ・インターネットや移動体無線通信技術、さらに発展中の5G、人工知能技術が人々の生活を革新して来たことを祝辞で取り上げました。

グエン・マン・フン情報通信大臣は、第49回、第50回、2回に渡るこのイベントが同国で開催されたことは意義深く、また、COVID-19感染拡大状況下やその後においてデジタルトランスフォーメーションが発展的で安全、かつグリーンな日常生活に欠かせないと、述べました。

ファム・ミン・チン首相 ジャオITU事務総局長 グエン・マン・フン情報通信大臣

首相、情報通信大臣、外務大臣、科学技術委員会議長、ITU事務総局長が参列し、同国においてデジタル経済が2025年までにGDPの20%、また2030年までに30%を占める計画であることを強調しつつ、本イベントの開催を宣言するカウントダウンが行われました。

カウントダウン模様

2.日本セッションなど

開会式に先立ち2021年9月10日には、日本が主催するセッション Future network and standardization for “Beyond 5G” がオンラインにて開催されました。

新谷正義総務副大臣は、情報通信技術の社会問題解決への期待の大きさ、標準化活動の重要さ、また、これらは5Gの先、”Beyond 5G” においてより重要になること、ゆえに、日本からITUに各SGに議長、副議長として貢献していることを述べました。

今年9月に開催予定のITU全権委員会議(PP-22)で行われる電気通信標準化局長選挙に立候補している尾上誠蔵NTT CSSO(Chief Standardization Strategy Officer)は、これまでの携帯サービスの各世代の振り返り、5Gの持つ意味と長期的な開発の重要性を強調しました。

2020年度起業家万博審査委員特別賞を受賞した秘密計算スタートアップ Acompanyの高橋亮祐 代表取締役・CEOは、秘密計算によるプライバシー保護の重要さを説明しました。

新谷 正義 総務副大臣 尾上 誠蔵 NTT CSSO 高橋 亮祐 Acompany代表取締役・CEO

他にも多くのオンラインセッションが開催され、5G: fueling digital transformation today – or tomorrow ? に尾上誠蔵 NTT CSSOが、また、Managing growth, managing spectrum: best practices in spectrum harmonization に上村治 ソフトバンク 渉外本部副本部長・電波政策統括室室長がオンラインで登壇されました。

上村 治 ソフトバンク 渉外本部副本部長・電波政策統括室室長

3. 閣僚級ラウンドテーブル

下記のテーマで計5回の閣僚級ラウンドテーブルが開催され、各国の閣僚級参加者により活発な議論が交わされました。

(a) Cutting the cost: can affordable access accelerate digital transformation ?

(b) Boosting infrastructure: rethinking the role of government in digital transformation Part 1 / Part 2

(c) Digital daily life: government services and content driving digital transformation Part 1 / Part 2

閣僚級ラウンドテーブル

日本からは、佐々木祐二 総務審議官が、(b) part1に出席し e-Japanにおける取り組みや日本における5GやORANなど最新技術の紹介、また、耐災害性、レジリエンスの重要さなどを説明しました。

佐々木 祐二 総務審議官

4.バーチャル展示

オンラインで訪問出来るバーチャル展示が開設され、各国、各国からの企業などの展示が行われました。

メインホール

日本からは、日本パビリオンにて、Welltool株式会社、株式会社 クロア、サイタホールディングズ株式会社が展示を行いました。 

日本パビリオン

今回、各社より展示報告を寄稿して頂きましたので、事業概要、出展内容は各記事でご覧下さい。

< Digital World 2021展示報告 Welltool株式会社 | 株式会社 クロア | サイタホールディングズ株式会社 >

多言語翻訳技術(Welltool)、アプリ・オンライン事業など(クロア)、海外での日本酒醸造(サイタホールディングズ)と、多彩な日本の企業、技術の展示が行われました。

5.まとめ

ITU テレコムワールドは、1971年に初めてジュネーブで開催され2021年は50周年に当たります。本来であれば、ベトナム ハノイの会場で世界中からの参加者により盛大にイベントが行われたであろうことを思うと、オンライン中心のイベントにならざるを得なかったことは誠に残念です。

しかしながら、ザ・インターネットを経由したオンライン開催によって、世界中の閣僚級政府高官などこの分野に係わる関係者が議論を交わし、また、多くの出展者によりバーチャル展示が行われたことは、新しい形態のイベントとして意義深いことではないかとも感じました。

フォーラム 閣僚級ラウンドテーブル
テーマ別セッション 14
講演者 (首相などVIP) 197 (55)
聴講者 約3,200
パビリオン展示 出展数 (各国) 129 (5ヶ国)
訪問者 (国) 約5000 (109ヶ国)
訪問回数 約13,000

 

次回の開催場所、時期などは現時点(2022年5月)では未定となっており、決定され次第、皆様に、セッション参加、パビリオン展示などに向けて案内、相談させて頂きたいと考えています。

新型コロナ感染が終息し会場で世界中からの参加者の皆様と有意義な時間を持てることを切望しています。

 

[ 画像などはITU HP、ITU提供資料より 開催結果はITU提供情報 ]


Copyright ITU-AJ 2022 [初出 2022. 5. 1 ]