2014年世界情報社会・電気通信日特別記念アマチュア無線局8J1ITUの運用リポート

一般財団法人日本ITU協会が後援する日本ITU友の会アマチュア無線クラブは、20145月1日から31日まで世界情報社会・電気通信日の特別記念アマチュア無線局8J1ITUを運用しました。2014年の8J1ITUの短波帯の周波数を利用した無線局の運用は、太陽活動と密接に関係するサンスポットナンバー(太陽黒点数)が低下してから、これまで越えることのできなかった1万局の壁を、今年はついに突破し、国内通信はもとより海外通信を含めた交信数で13,800局の交信を免許期間の1か月で達成しました。

運用拠点である茨城県霞ヶ浦の送信電力1kW局も長年の使用によるダメージで、今年は1.9MHzのアンテナが倒壊したために、ついにこのバンドの運用は行われませんでした。50MHzでは、運用直前の4月に強風で14エレ八木アンテナを回すローテータが故障し、430日のぎりぎりのタイミングで復旧工事を行い運用にこぎつけました。また長年使用した3.5MHz2エレ八木アンテナを撤去し、代わりに14MHz6エレ八木を新設しHFハイバンドの充実を図りました。この結果、運用開始早々の52日の夜のコンディションは全期間を通じて最高の状態で明け方6時までヨーロッパから多数のコールがあり、ITU(ジュネーブ)の記念局8S0ITUと無線電話(SSB)による交信に成功。期間中、ITUの常設アマチュア無線局4U1ITUや米国のITU局とも交信に成功しています。

とりわけ、霞ヶ浦の無線局の運用では、55日の子供の日のイベントで日本ITU友の会アマチュア無線クラブ員の小学6年生の海老名君が南極昭和基地のアマチュア無線局8J1RLとの交信を僅か50Wの出力で成功しました。 

一方、移動局の記念局は、筑波山、我孫子、品川、石岡、鴻巣、土浦、太田、山形、吉川、赤城山などで運用し3,000局との交信を行いました。 

今年の特別な企画として、霞ヶ浦の固定局とインターネットを介したリモートコントロール局のシステムを構築し、海外局との通信を含む100局ほどの交信を行いました。 516日には日本ITU協会が主催する世界情報社会・電気通信日のつどいの記念式典の会場(京王プラザホテル)からリモートコントロールを利用した公開運用を行い、このアマチュア無線局の新しい運用形態を紹介することができました。

2014年の8J1ITU記念局の運用を成功裏に終了し、開局以来、念願の1万局越えの交信ができたのは、ひとえに日本ITU協会の方々、日本ITU友の会アマチュア無線クラブ会員の皆様の努力と頑張りの賜物と感謝したいと思います。

 

日本ITU友の会アマチュア無線クラブ

会長 木下重博

   

 霞が浦に設置されているアンテナ群