平成5(1993)年度 受賞者功績概要

一般賞(6人)
1 岡部 恒雄/(財)海外通信・放送コンサルティング協力
NTTのクウェートコンサルタント事務所において、無線方式、搬送方式、印刷殿新方式等の設備計画を設定し、同国の電気通信の発展に多大の貢献をした。2回延べ6年間に渡るNTTジュネーブ海外事務所勤務の間、ナイロビ全権委員会議をはじめ、CCIR,CCITT等多くの国際会議の運営等にも貢献。
2 小畑 富宥/ (財)KDDエンジニアリング・アンド・コンサルティング
主としてサービスにかかわる国際標準化に多大の寄与。国際写真電報に関する勧告の簡素化、新たに登場したファクシミリ電報業務およびテレファックス業務に関連した各種勧告の成立に多大の功績を残した。最近飛躍的に普及しつつある国際クレジット通話に関しては、その重要性、将来性を早くから見通し、標準化の道を開いた。
3 鈴木 幟/ 日本電気株式会社
SIOの中心的存在として建設的な意見を積極的に提案。各国代表との接触を密にして会議への対処方針について意見交換し、円滑な実施に貢献するなどITUにおける日本の地位の向上に大きく貢献。条約・憲章の検討委員会委員としてわが国の対処方針の策定にも寄与。
4 辻井 重男/東京工業大学 工学部
電気通信技術審議会委員、さらに同審議会CCITT委員長を努め、わが国のITU活動および通信・放送の発展に寄与。「21世紀を展望した情報通信技術開発に関する基本方針に着いて」の答申作成に当たり、多くの貴重な提言を行い、その取り纏めに貢献。オーディオビジュアルやディジタル映像技術等の各種規格統合のあり方、開発促進方策等の取り纏め推進。
5 二宮 佑一/ 日本放送協会 放送技術研究所
CCIR総会でのHDTVのスタジオ規格(Rec.709)およびMUSEの規格(加速勧告)等の勧告化に貢献。特にCCIRのHDTVスタジオ規格を担当したSG11のIWP 11/6では、日本代表団の重要メンバとして活躍。また、EBU、ABU、ATSC、OIRT等の関係国際機関との交渉を精力的にこなすなどHDTVの規格化を推進。
6 藤井 拓三/ 国際電気株式会社  電子通信事業部
CCIR SG3(現在のSG9E)で「HFディジタル音声伝送」に関する報告を世界に先駆けて行い、勧告化の基礎を作った。以降HFディジタル音声伝送、HFパケット伝送、HFデータ伝送の各分野での勧告作成に貢献。また、不可能とされていたDSB放送機のSSBへの改造が氏の提言により見直されることになり、各国から注目と期待が寄せられている。
著作賞(1人)
1 松本 充司/ 日本電信電話株式会社 ネットワーク高度化推進本部
数多くの寄書の提出、勧告草案の作成等CCITT標準化活動に多大の貢献。特に、ファクシミリ関連(G2、G3、G4)の国際標準化活動においては、課題「ISDN用端末インタフェース」の議長として加速勧告T.90をまとめた。さらに、SGⅠオーディオビジュアル/マルチメディアサービスの国際標準化に尽力した。
国際協力賞(8人)
1 佐治 信男/元日本電信電話公社 海外連絡室 調査役
中南米、中東で訓練計画、伝送路計画、線路保全等の指導にあたり、ITU専門家としてイラクで訓練センター理事として訓練内容充実に努め、当該国の電気通信開発に貢献した。
2 竹内 和雄/日本AT&T㈱ ネットワークシステムズ Executive Senior Advisor
 ITU専門家としてタイ、シンガポール、クウェートで電信、テレックス、データ伝送等の訓練計画作成、教科書・カリキュラム作成に携わり当該国の電気通信技術開発に貢献した。
3 坪井 俊雄/元国際電信電話株式会社 海外協力部 調査役
チュニジアでインテルサットのアラブサット地球局建設コンサルティング業務に従事し同国の衛星通信業務導入に貢献。カンボジア、パラグイア等でも電気通信の開発に貢献。
4 故 西村 清/元(財)海外通信放送コンサルティングコンサルティンク協力 渉外部長
25年にわたり電気通信プラント市場調査団の企画、派遣、国内外でのセミナー、フォーラムの企画、開催、要人招聘、来訪者の受入、及び国際機関関連行事への協力等一貫して国際協力業務に献身的に従事、開発途上国に対する通信・放送分野の国際協力の進展に貢献した。
5 仁平 勝/元電信電話公社 国際局 総括調査役
タイ、シンガポール、メキシコ等で交換技、電話網の技術指導を行ない途上国の電気通信技術の開発に貢献。
6 藤井 義人/元株式会社日立製作所 副技師長
ケニア、クウェート、ボリビア等で電気通信プロジェクトの計画・実施、コンサルティング等の業務に従事し当該国の電気通信開発に貢献。
7 堀 成雄/株式会社NHKアイテック 海外事業本部 チーフエンジニア
アジア、アフリカ、中米等の途上国で放送近代化計画策定、運用・保守の技術指導と専門家の育成を行い途上国の放送技術の発展に貢献。
8 故 麦島 正靖/元郵政省 大臣官房文書課 課長補佐
18年にわたり通信・放送分野国際協力業務に携わり、豊富な経験と知識をもとに技術協力並びに資金協力において外務省,国際協力事業団等の国内関係機関との折衝等において郵政省の中心的な役割を果たした。20数回に及ぶ開発途上国への調査団等でも相手国政府との交渉・取り纏めで多大な貢献をした。