平成23(2011)年度 受賞者功績概要

総務大臣賞(1人)
1 佐賀 健二/元亜細亜大学/国際関係学部
JICAやPECC(太平洋経済協力会議)日本委員会での活動及びAPECTEL及びAPT開発フォーラムへの政策提言、APTへの我が国特別拠出を活用したプログラムの実施支援等を通じて長期間にわたりアジア・太平洋地域におけるICTの開発に大きく貢献した。また、APTパイロットプロジェクトや研究者交流の実施を通じて同地域における電気通信の均衡ある発展にも尽力した。
特別功労賞(2人)
1 大久保 榮/早稲田大学/国際情報通信研究センター
テレビ会議やテレビ電話を代表とするオーディオビジュアル通信システムの国際標準化について、25年間にわたりCCITT/ITU-Tで先導的役割を果たしてきた。この間、ラポータならびにWP議長として、映像符号化とそれを核とするシステム標準を策定し、多様なネットワーク環境での相互接続性実現に寄与するとともに、新たなマルチメディアサービスを標準化対象に加えITU-T SG16の活性化に寄与した。この結果、国内外のデジタル社会の発展に多大な貢献をした。
2 長谷川 豊明/元 日本放送協会
衛星放送の初期の段階からその研究開発と実用化に携わり、家庭向け直接衛星放送の世界的な実現とともに、地上テレビジョン放送全国ネットワークの構築に貢献した。さらに、放送のデジタル化を先導的に推進するとともに、ハイビジョンスタジオ規格の国際統一を実現し、今日のわが国におけるデジタルハイビジョン普及の基礎を作った。その優れた専門性と先見性により、放送文化の発展とわが国の放送技術の世界的地位向上へ著しく貢献した。
功績賞(8人)
1 大橋 正治/大阪府立大学大学院/工学研究科 電気・情報系専攻
ITU-T SG15において1991年から光ファイバ関連の標準化に携わり、1997年から12年間に渡り課題18/15「光海底ケーブルシステム」のラポータを務め、光海底ケーブルしシステム関連勧告(G.97xシリーズ)の制定および勧告体系の再構築の主導、光ファイバ関連勧告のガイドライン文書(G.suppl.40)の編纂、光ファイバ関連勧告群(G.65xシリーズ)の制定および修正において技術面で中心的な役割を果たした。この結果、現在広く国内外で利用されている光ネットワークの普及に多大な貢献をした。
2  岡 誠一/社団法人日本アマチュア無線連盟/総務部
ITU-R SG8 WP8A及びSG5 WP5A等の会合において、多年にわたり日本代表団として会合に出席するとともに、会議における議論の対処や寄与文書の提案等に尽力し、アマチュア無線分野における、我が国のITUへの国際標準化活動の中心的な役割を担うなど、多大な貢献を行った。
3 櫻井 義人/株式会社 日立製作所/情報・通信システム社経営戦略室
2001年よりITU-Tの活動に積極的に参加し、これまでにITUT/JCA-NID及びITU-T/FG ICT&CCに要職者として参加し、RFID、センサーネットワーク、ICT&CC分野の標準化活動で活躍された。現在ではITU-T/FG Smart副議長として、スマートグリッド技術の要求条件に関する出力文書を取りまとめる等ITUでの当該技術の検討に尽力しているところ。その他、APT/ASTAPでも活動し、アジア地域で意見を取りまとめる等、グローバルな標準化活動と地域標準化活動の双方で我が国の国際標準化活動に貢献頂いている。また、数多くの国際会議のレセプション等で、ピアノ演奏を披露し文化交流にも務めている。
4 中村 武宏/株式会社NTTドコモ/無線アクセス開発部
第3世代方式国際標準化に関するARIBでの日本提案選定においてW-CDMA技術作業班の中心メンバとして国内標準化をリードした。その後3GPPでは、発足時からラポータ、副議長等を歴任し、2009年からは無線仕様検討グループの議長を務めており、W-CDMA、HSPA、LTE国際標準化活動の第一人者である。国内ではARIB高度無線通信研究委員会IMT-Partnership部会長として国際標準化および国内標準化に貢献をしている。
5 西田 幸博/日本放送協会/放送技術研究所 テレビ方式研究部
これまで日本が提案・推進するHDTVスタジオ規格の1125本方式による世界統一において、ITUにおける検討に貢献するとともに、HDTVデジタルインターフェース、世界統一カラリメトリ、画質評価などについても日本提案を行い、勧告作成に貢献している。また、2008年より、ITU-R SG6副議長を務めるとともに、ITU-Rの作業・財政的事項等を検討するRAG会合においても、その審議に寄与し、放送分野だけでなく、ITU-R活動全般に多大な貢献をした。
6 山崎 毅文/日本電信電話株式会社/サイバーソリューション研究所 第一推進プロジェクト
ブロードバンド時代の中核を成すホームICTにおける国際標準化活動をITU-Tや国際フォーラム(OSGi)で、国内標準化活動をTTCで牽引し、ホームICT基盤技術であるOSGiの標準化とその技術の普及に努めた。また、ホームNW上にある宅内機器の遠隔保守実現のため、各機器が持つべき通信プロトコルに関する国内規定をTTCにて行い、ITU-T SG15でこの国際標準化を推進した。これにより、日本が先行しているホーム環境でのICT活用に関し、より一層の普及推進に貢献した。
7 山田 秀昭/KDDI株式会社/モバイルプラットフォーム開発部
VoIPサービスでユーザが体感する音声品質の推定技術を研究開発すると伴に、実装レベルの技術検証に基づく国際標準化を目的とした日中韓テストベッドの構築を主導し、固定・移動IP網による統合VoIP基盤に適用可能な、サービス品質の測定管理勧告Y.2173を標準化した。日中韓標準化協調会合のNGNワーキング議長、IP上でのサービス提供技術に関わるSG13課題14ラポータ、TTC 専門委員会副委員長を務め、日中韓協調に基づく国際標準化及び国内標準化の推進に多大な貢献を行なった。
8 横山 伊仁/スカパーJSAT株式会社/技術運用本部 電波業務部
これまで永きにわたり、衛星通信網の運用及び周波数調整業務に従事しており、衛星を利用した通信サービスの安定的運用・高度化等に貢献している。特に、その専門的知見を活かし、ITU-R 関連会合、WRC会合、APT-WRC準備会合等における衛星調整に関する無線通信規則の改正の審議に積極的に寄与し、衛星通信網の国際的な周波数調整手続の策定に多大な貢献を果たしている。
国際協力賞(8人)
1 石井 英光/元日本電信電話株式会社/技術局
タイ・モンクット王工科大学やメキシコ運輸通信省訓練センタで、マイクロ波通信技術の専門家として延べ約6年半に亘り、訓練・指導に努めた。また通信省の現地要請により、メキシコにてマイクロ波伝播試験の講習等を行い、これらの国の電気通信技術の発展に大きく寄与した。帰国後は日本ITU協会にて、通信技術の動向や国際会議の模様などを随時取上げ、啓蒙・普及活動に尽力するとともに、NTT退職後も電気通信協会や日本ITU協会、BHNテレコム支援協議会などに携わり、国際協力に関する業務に延べ25年余り従事し、各国の電気通信事業の発展に貢献した。
2 植竹 國一/財団法人海外通信・放送コンサルティング協力
途上国での通信網の整備・拡張プロジェクトに従事するとともに、関係機関のカウンターパートへの技術移転及び現地技術者の育成に貢献した。特に、アンゴラ国で実施されたルアンダ市電話網整備プロジェクトにおいて、現地責任者として工事監理に従事する中で、アンゴラテレコム職員の技術向上に貢献した功績により、アンゴラテレコムの経営委員会及びプロジェクト実施責任者からそれぞれ感謝状を授与された。
3 大場 一則/元 財団法人KDDIエンジニアリング・アンド・コンサルティング/コンサルティング部
1981年から1991年まで途上国の電気通信システムの技術指導に従事し、その後、現在に至るまで、電気通信システムの整備・発展に寄与する海外ODAプロジェクトのコンサルティング業務に通信技術者として従事し、我が国の国際協力の現場で多大な貢献をしてきた。2000年に「国際協力奨励賞」を受賞後も、一貫して、途上国の現場で国際協力業務に従事し、通信技術者としてプロジェクトの推進に励み、途上国の電気通信基盤の整備・発展に大いに貢献した。
4 野村 正規/特定非営利活動法人 BHNテレコム支援協議会
NHK在職時には放送システムや無線通信の技術分野の業務に従事、その知識を生かしてペルー国運輸通信省電気通信研究所へJICA専門家として赴任、同国放送事業の発展に寄与した。定年退職後は情報通信で途上国へ支援を行うBHNにボランティアとして参画、上述の経験を生かしてコミュニティFMラジオ局や地方の医療施設間を結ぶ無線網等の設計、調達、設置、運用・保守研修と多岐に亘る分野で活動、国際協力に貢献している。
5 堀 智織/独立行政法人情報通信研究機構/けいはんな研究所
世界には多数の言語があり、言語の壁の克服は人類の長年の夢であった。音声翻訳技術は、自分の音声をその場で相手の言語に翻訳し音声で出力する技術であり、言語の壁を打ち破る事ができる。世界中の言語を世界と協力して音声翻訳するため、ネットワークを介して世界中に分散している音声認識・音声合成・翻訳モジュールを接続し音声翻訳を行う枠組みを提案し、モジュール間通信プロトコルとデータフォーマットの国際標準化を行った。
6 松本 潤/独立行政法人情報通信研究機構/知識創成コミュニケーション研究センター
世界には多数の言語があり、言語の壁の克服は人類の長年の夢であった。音声翻訳技術は、自分の音声をその場で相手の言語に翻訳し音声で出力する技術であり、言語の壁を打ち破る事ができる。世界中の言語を世界と協力して音声翻訳するため、ネットワークを介して世界中に分散している音声認識・音声合成・翻訳モジュールを接続し音声翻訳を行う枠組みを提案し、モジュール間通信プロトコルとデータフォーマットの国際標準化を行った。
7 中村 哲/独立行政法人情報通信研究機構/音声コミュニケーショングループ
世界には多数の言語があり、言語の壁の克服は人類の長年の夢であった。音声翻訳技術は、自分の音声をその場で相手の言語に翻訳し音声で出力する技術であり、言語の壁を打ち破る事ができる。世界中の言語を世界と協力して音声翻訳するため、ネットワークを介して世界中に分散している音声認識・音声合成・翻訳モジュールを接続し音声翻訳を行う枠組みを提案し、モジュール間通信プロトコルとデータフォーマットの国際標準化を行った。
8 室井 謙三/株式会社NHKアイテック/海外事業部
技術協力専門家としてブータンおよびペルーに滞在し、精力的に技術移転を進める一方、現地の放送に係る広範な課題に取り組み、幅広い視点から的確な助言を与えて放送番組の改善に大きく寄与し、我国への信頼を高めた。また、サッカー・イタリアワールドカップ、長野オリンピックなど数多くの国際イベント番組の技術面の統括を担当し、海外放送機関との連携のもと、質の高い番組を制作して、国内外の視聴者の要望に応えるなど、国際協力に大いに貢献した。
国際活動奨励賞 功績賞対象分野(13人)
1 池田 哲/日本電気株式会社/モバイルRAN事業部
ITU-RにおけるIMT-Advanced 無線インタフェースの開発に貢献した。IEEE802.16委員会においてIEEE802.16mの要素技術の提案を活発に行うとともに、IEEE802.16m技術に基づいたIEEEのITU-RへのIMT-Advanced技術の提案作成、ならびに日本のITU-Rへの提案作成において貢献した。IEEE提案/日本提案はWirelessMAN-Advanced技術としてIMT-Advanced無線インタフェース標準の一つに採用された。
2 今田 諭志/株式会社KDDI研究所/開発センター スマートワイヤレスグループ
IMT-Advancedに向けたWiMAXの次世代規格であるWirelessMAN-Advancedにつき、IEEE 802.16WGでのIEEE802.16m仕様作成に貢献すると共に、本方式の自己評価を同WGに寄書入力し、ITU-Rにおける第4世代(4G)携帯電話へのWirelessMAN-Advanced採用へ貢献した。これらの活動に加え、ITU-R SG8 WP8D(現SG4)へも参加し、移動衛星業務におけるIPパケット伝送の基本的な参照モデル及び性能パラメータに関する勧告(ITU-R M.1636)をドラフティング議長として完成させた。
3 岩村 幹生/株式会社NTTドコモ/無線アクセス開発部
2005年から現在に至るまで、第3.9世代(LTE)、第4世代(LTEAdvanced)システムに関して、3GPPを中心とした標準化活動に継続的に寄与している。特に、LTEにおける規制制御、発着信制御、報知制御、モビリティ制御、セキュリティ制御等の基本仕様策定において多数の寄書を入力し、多数の議論のモデレータを務めるなど、議論をリードし、3GPPの仕様策定、高度化、実現性検討への多大な貢献をしている。
4 折口 壮志/日本電信電話株式会社/環境エネルギー研究所 環境システムプロジェクト
2008年より環境・エネルギー技術の国際標準化活動としてITU-Tの「ICTと気候変動」フォーカスグループ(FG)に参画し、標準化すべき環境・エネルギー技術を明確化した。2009年から、ITU-TのSG5で「ICTと気候変動」作業部会(WP3/5)の設立に貢献し、WP副議長として活動し、WP運営だけでなく勧告草案「ICT環境影響評価手法」のエディタとして、日本技術の国際標準化に貢献している。FGおよびSG5での活動を通じ、日本における環境問題の取り組みを国際的に認知させるとともに、議論の先導・取りまとめに多大な貢献をした。
5 木全 英明/日本電信電話株式会社/サイバースペース研究所
ITU-T SG16において、2006年から三次元映像を含む多視点映像符号化の国際標準化にエディタとして参画し、2009年に勧告H.264 Annex H (MVC)を完成させた。現在、広く普及しつつある三次元映像の基礎技術の国際標準化に多大な貢献した。また、要求仕様や実装技術についても積極的に提案し、日本の三次元映像処理・符号化技術の国際標準化を推進し、日本の三次元映像処理技術の国際的地位向上を図っている。
6 櫻井 暁/日本電気株式会社/光ネットワーク事業部
2006年よりITU-T SG15会合に参加し、キャリアイーサネット技術の標準化に対する貢献を行っている。これまで60件以上の寄書提出を行い、プロテクション勧告G.8031/G.8032制定へ寄与するとともに、共同エディタとして装置機能勧告G.8021の文書承認(2010年10月)における中心的役割を担ってきた。また2010年3月より、SG15 Q9,Q10,Q14関係者間で設置されたコレスポンデンスグループのリーダとして性能測定機能の議論を先導するなど、更なる活躍が期待されている。
7 高橋 知彦/株式会社KDDI研究所/超臨場感通信グループ
2007年12月より、ITU-T SG9の標準化活動に参加。主に映像配信ミドルウェア・プラットフォームに関する研究に携わり、2008年、放送中心型IPTV端末ミドルウェア勧告(J.701)、2009年、サービスプロバイダインタフェース要求条件勧告(J.704)でそれぞれエディタを務め、国内技術・要件の入力を精力的に実施。ケーブルテレビ網での映像サービスをIP技術によって高度化し、より魅力的な映像サービスとするための、プラットフォーム関連技術の勧告化を推進した。現在、ITU-T SG9 課題10のラポータとして、映像及びその他マルチメディアサービス向けのプラットフォームに関する研究に従事。
8 田中 威津馬/株式会社NTTドコモ/研究開発センター ネットワーク開発部
2007年から移動通信システムの標準化に従事し、特に次世代移動通信コアネットワークの標準化に貢献している。国際活動として3GPP、GSMAに参加し、特に3GPP SA2(移動通信網のアーキテクチャ検討グループ)では、ハンドセット型LTE端末での音声サービス提供を可能とする「CSフォールバック」機能を提案しドラフティングセッション議長として議論を主導し標準化を実現。また、GSMAでは2010年からPacket及びRiLTEの2つのワークグループで副議長を勤めており(4月からはPacket_WG議長)、LTEの国際ローミングの実現に必要なコアネットワーク関連技術標準作成を主導し、LTEの音声ローミング提供方式の標準化にも寄与・貢献が大きい。
9 永沼 美保/株式会社ラック/サイバーリスク総合研究所 国際渉外部
2008年9月からITU-T SG17における情報セキュリティ分野の標準化活動に参加して積極的に寄与しており、特に2009年2月からは課題3(電気通信情報セキュリティマネジメント)のラポータとして精力的に活動しており、今後も継続的な貢献が期待されている。課題3ラポータとしては特にWTSA-08決議58に基づき2010年4月には「グローバルサイバーセキュリティCIRT名簿」を完成した上で、引き続きマネジメントガイドラインの作成に尽力しており、その他、勧告X.1209(サイバーセキュリティ情報の共有及び交換を実現するための機能及びシナリオ)のエディタも担当し同勧告の完成に向けて主導的な役割を果たしている。
10 藤井 智史/国立大学法人 琉球大学/工学部
海面の流速や流向の観測機器として、環境、海洋、気象、気候、海運、防災の各分野への応用が期待される海洋レーダーに関し、我が国における技術開発を先導し、他国には類を見ない指向性レーダーの開発や遠距離レーダーを含む長年の運用・研究の成果により、海洋レーダへの周波数分配の2012年世界無線通信会議(WRC-12)の議題化に貢献するとともに、ITUでの技術的・運用的特性の標準化及び他の無線通信業務との周波数共用に係る検討に技術的見地から寄与し、海洋レーダーへの周波数の分配に向けたITUでの技術的な研究の前進に大きく貢献した。
11 星田 剛司/株式会社 富士通研究所/ネットワークシステム研究所 フォトニクス研究部
波長多重光伝送システム技術の専門家として、2003年から一貫してITU-T SG15における光伝達網の光インターフェースや光サブシステム等の標準化活動に携わってきた。その間、ITU-T勧告G.698.1、 G.698.2、 G.696.1の作成・改版を、さまざまな寄書提案や審議への参加を通じてリードするとともに、ITU-T勧告G.663ならびにITU-T補助文書G.Sup39の2文書のエディタとして、継続的な貢献を行っている。
12 松原 大典/株式会社 日立製作所/中央研究所 ネットワークシステム研究部
2006年7月からITU-T SG13会合やその中間会合であるNGNGSI(Next Generation Networks Global Standards Initiative)会合に参加し、主にNGNアーキテクチャに関する勧告Y.2012、ならびに、QoS制御に関する勧告Y.2111の策定に積極的な寄与を行った。 さらに、2009年11月からは、将来網(Future Networks)の標準化準備検討会合であるITU-T FG-FN(Focus Group on Future Networks)に参加し、将来網の要件を規定する勧告FNvision(Future Networks: Objectives and Design Goals)のエディタを担当、各国参加者の意見をとりまとめ、勧告の完成に向けて主導的な役割を果たした。今後も継続的な貢献が期待されている。
13 松原 雅美/三菱電機株式会社/情報技術総合研究所 マルチメディア符号化伝送技術部 メディアアクセスチーム
AV情報家電やIPTVに関する内外の標準化活動に参画、日本の技術のITU、ISO/IECなどへの国際展開に貢献してきた。ITU-T SG16においてIPTV関連勧告のエディタを務めるとともに、積極的に寄書提案を行い、日本仕様を強く反映した3件の勧告成立に尽力した。また、それらの相互運用性や勧告の有効性を検証するIPTVインターオペラビリティイベントに積極的に参加し、ITU-T勧告準拠機器の高い完成度をアピール してきた。
国際活動奨励賞 国際協力賞対象分野(8人)
1 牛山 和彦/株式会社コミューチュア/土木事業本部
当時の海外の電気通信工事では従事者の殆どが、電気電子工学関係を修めてきた方々が多いなか、土木工事経験の従事者は少なかった。古い仕様の地下施設の改良や、新しく安全な工法の導入を推し進める機会を各地でみつけ、現地の人々と積極的に改善を行った。非開削工法の推進、コンクリート設備のプレハブ化による工期短縮と、製品の標準化は通信分野以外にも波及効果をもたらした。
2 宇高 衛/財団法人マルチメディア振興センター/情報通信研究部
国際協力機構(JICA)が1998-99年に実施した「ベトナム国全国電気通信整備計画調査」、JBICが2002-03年に実施した「ベトナム国電気通信セクター調査」に参加し、通信政策および規制に関する調査、提言を実施した。また、JICAより、インドネシアの「IT政策形成支援(2001)」、マレーシアの「マルチメディア教育支援(2002)」の短期専門家として派遣され、国際協力銀行(JBIC:「カンボジア電気通信セクター改革」)、東南アジア諸国連合(ASEAN:「ユニバーサル・サービス制度構築」)、ITU(「ブロードバンド化進展とユニバーサル・サービス」)等のセミナーで講演を実施し、情報通信の普及促進に努めている。
3 岡村 守/西日本電信電話株式会社/ネットワーク部 資材調達センタ
青年海外協力隊員としてパナマの電気通信線路部門の技術者育成に従事し、同国の通信技術発展と日本との友好関係構築に大きく貢献。インドネシアでは世界銀行の円借款案件におけるコンサル業務に従事。また、JICA派遣専門家や海外研修生受入事業、企業案件での地域開発計画の策定などに従事し、各国の電気通信基盤の整備だけでなく、各国スタッフへの技術指導、技術移転を通じた途上国の発展に多大なる貢献をした。今後も国際協力の分野での活躍が期待される。
4 鈴木 浩/日本放送協会/長崎放送局 技術部
1993年9月から2年6ヶ月にわたって、JICAの専門家としてメキシコ合衆国・教育テレビ研修センターへ派遣され、制作設備の設計・整備、運用・保守など制作技術(施設)全般にわたる技術指導を担当する一方、ビデオエンジニアなど番組制作に関わる業務についても携わり、中南米の人材の育成・技能の向上に大いに貢献した。
5 土淵 法明/株式会社 エヌ・ティ・ティ エムイー/ネットワークサービス事業本部 フィールドサービス事業部
青年海外協力隊員としてパラグアイ共和国に赴任し通信の発展に大きく貢献するとともに、JICAおよびAPEC計画等の海外研修員受け入れと無線技術、プロジェクトの経済比較、ISDNプロトコル、IP技術等の講義を実施し、海外技術者の育成に尽力した。投資案件では、移動網構築に係る技術検討の手法や進捗管理手法を業務を通じて現地技術者に展開し、今後も国際協力活動の場での活躍が大いに期待される。
6 福家 直樹/KDDI株式会社/技術統括本部 ネットワーク技術本部 国際ネットワーク部 衛星通信グループ
ルーラルエリアの通信環境改善を実現する持続可能な現実的仕組みの確立に情熱を持って取り組み、ITU-D SG2でフェムトセルと衛星を組み合わせたルーラル通信技術に関する寄書を2007年以降継続して提出する一方、2010年からは当該コンセプトのAPTJ2 マーシャル諸島プロジェクト(フェムトセル)等への適用を始めている。また、2010年からはITU-D SG2 課題24(ICTと気候変動)副ラポータにも任命され、今後ルーラル通信を中心に、幅広く国際協力・標準化活動に貢献して行くことが期待される。
7 古田 浩之/日本放送協会/放送技術研究所 研究企画部
我が国の放送技術専門家として、官民合同で行われている日本の地上デジタル放送方式(ISDB-T)の国際的な普及活動に取り組み、フィリピンを中心に各国におけるISDB-T方式の採用決定に多大な貢献をした。また、これにより、我が国のITU-Rでの国際標準化活動の円滑化にも貢献した。
8 渡邊 敏英/社団法人電波産業会/普及戦略委員会デジタル放送国際普及部会デジタル放送普及作業班
社団法人電波産業会に設置されているデジタル放送普及作業班の議長として、官民合同で行われている日本の地上デジタル放送方式(ISDB-T)の国際的な普及活動を主導し、世界各国におけるISDB-T採用決定に多大な貢献をした。また、これにより、我が国のITU-Rでの国際標準化活動の円滑化にも貢献した。