昭和48(1973)年度 受賞者功績概要

一般賞(3人)
1 阿部 暲/ 郵政省
国際電気通信行政に従事すること28年余、その間ITU全権委員会議、電信電話主管庁会議、管理理事会、国際電信電話諮問委員会等数多くの国際会議に参加、活躍し、また戦後のわが国のITU活動を軌道にのせるのに大きく貢献された。なかでもわが国が管理理事国に選出されるにあたっての功績は特筆に値する。
2 木下 正文/ 電電公社 技師長室次長
ITUの電気通信専門家として、クウェート、インドネシアおよびアフリカ地域に前後4回にわたって派遣され、枢要な職務につき、実に10年余の間、発展途上にある諸国の電気通信の発展に貢献された。
3 長谷 慎一/ 日本通信協力株式会社
臨時周波数委員会、第三地帯無線通信主管庁会議に連合軍司令部代表の顧問として出席、戦後の不利な国際的立場にも拘らず電波権益の確保に努め、更に国際無線通信諮問委員会第7回総会および通常無線通信主管庁会議にそれぞれ政府代表として活躍、また35年から41年までの6年有余にわたって、国際周波数登録委員会委員に選出せられ、周波数スペクトラムの秩序ある国際的利用の促進に貢献された。
著作賞(3人)
1 安東 平一郎/ 日本放送協会 総合技術研究所
かねてからテレビジョン音声多重方式の研究に従事してFM-FM方式の優れている根拠を明らかにし、40年以来数次にわたり、寄与文書を国際無線通信諮問委員会に提出し、また47年には同方式に関する電波技術審議会の答申に参画し、わが国のITU活動に貢献された。
2 池田 茂樹/ 国際電信電話株式会社
第6信号方式仕様の改善案と試験データを44年以来実に9件に及ぶ寄与文書として国際電信電話諮問委員会に提出し、同方式の完成に貢献された。なかでも合理性検査表は高く評価され、国際電信電話諮問委員会第5回総会において採択された。
3 島田 博一/ 電電公社 技術局
総合サービスデジタル網の分野における国際電信電話諮問委員会での研究のあり方について重要な寄与文書を提出し、ITUの活動に貢献された。