平成6(1994)年度 受賞者功績概要

一般賞(5人)
1 足立 邦彦/ NTT東海移動通信網株式会社
ジュネーブ海外事務所長を務めた期間、メルボルン電信電話主管庁会議、ニース全権委員会議が開催された際、両会議において、諸外国の代表等との折衝を通じ、会議の円滑な推進に尽力した。また、CCITT SGⅢ、SGⅤ等の会議運営に尽力し、一方、テレコム91において、テクニカルフォーラム論文審査委員、青少年会がコンクール審査委員を務め、日本としての意見を反映すると共にテレコムの成功に多大の貢献をした。
2 新井 彰/ 株式会社田無タワー
11年余の長きに渡りITU本部のCCIR事務局に勤務し、その中核として、支援活動を行い、CCIR活動の推進に貢献した。世界無線通信主管庁会議(WARC-ORB)ならびにCCIR第ⅩⅥ回総会の首席代表を務め、各国の利害が激しく交錯する中、その調整に卓越した手腕を発揮してその重責を果たすと共にわが国の権益確保にも大きく寄与した。第41会期、42会期のITU管理理事会には、カウンセラーとして参加し、わが国の地位向上に大きな役割を果たした。
3 竹中 理/ 国際電信電話株式会社
電話回線の伝送品質、通話品質の専門家として、CCITT SGⅩⅠ、ⅩⅡ、ⅩⅢ等において国際標準作成に功績を残した。テレコム79ではG3ファクシミリのプロトタイプであるクイックファックスの優越性・有効性を展示・実演によってアピールし、翌年のG3ファクシミリの標準化に大きく寄与した。ジュネーブ事務所長在任中は、世界無線通信主管庁会議(WARC-HFBC、WARC-ORB)等に参加し、会議運営を支援した。
4 細矢 良雄/ 北見工業大学 電気電子工学科
電波気象、マイクロ波・ミリ波の降雨伝搬特性、固定無線中継回線におけるマルチパスフェージング特性など、非電離媒質内電波伝搬に関する研究に従事し、その成果をCCIR活動に反映させてきた。この功績により、第14回日本ITU協会賞(著作賞)を受賞している。第ⅩⅥ回CCIR総会でSG5の副議長に選任されて以来、無線通信技術や運用面での研究、勧告の作成等で指導的役割を果たした。
5 山田 宰/ 日本放送協会 放送技術研究所
ITU-R SG11で、将来のディジタル地上テレビジョン放送について審議するため設置されたTG11/3の副議長に選出され、信号多重化と誤り訂正に関する技術的な貢献と国際調整作業に尽力した。ヨーロッパ放送連合(EBU)やアジア放送連合(ABU)などでのディジタル放送に関する審議にも活躍している。ディジタル音声放送分野においても、ヨーロッパ方式の問題点の指摘並びに改善提案を行うなど、国際哄笑にも精力的な活動を続けている。
著作賞(1人)
1 北脇 信彦/ 日本電信電話株式会社/ ヒューマンインタフェース研究所
CCITT SGⅩⅡの活動に参加し、電話機および熱と沸くの品質に関する世界標準の作成に多大の貢献をしている。音声装置の物理特性を測定するときに用いられる信号の発声法に関する勧告、電話機の品質を表すラウドネス客観品質測定器、およびディジタル電話機の客観品質測定器の作成等である。さらに、世界的に普及している変調雑音発生装置および量子化歪ユニットによる方法を提案したほか、人間による評価値と同等の値を機械によって得る客観測定法の課題の勧告化を勧めている。
国際協力賞(9人)
1 石塚 春夫/石塚無線通信技術コンサルタント事務所 所長
アジア、中東、南米の途上国電気通信技術者の訓練。途上国の電気通信プロジェクト入札仕様書の作成、及び工事管理に従事し途上国の電気通信開発に貢献。
2 稲野 龍三郎/光洋電機株式会社  顧問
タイ電気通信訓練センタで3年間、フィリピン電気通信学園で3年8ヶ月、インドネシア電気通信訓練センタで10年間無線教官として従事、特にインドネシアでは後半5年間教官長としてセンタの運営を行う。
3 潮田 巌/古河電気工業株式会社  情報通信事業本部海外通信事業部 技師長
イランで14年間マイクロ波伝送路建設に従事しプロジェクト推進に大きく貢献した。
4 大島 松太郎/大島技術士事務所 所長
アジア及び中南米途上国でマイクロ波伝送網の設計及び入札・応札仕様書作成に携わり当該国の電気通信の発展に貢献。
5 北原 福司/万国郵便連合 アジア・太平洋地域アドバイザー
万国郵便連合アジア・太平洋地域協力アドバイザーとして郵便開発プロジェクト策定と資金調達ルート開拓を行い、開発途上国の郵便事業の発展・向上に貢献した。
6 国府 康昌/国際技術協力研究所 技師長
放送分野国際協力の草分的存在としてアジア、中東、南米の途上国のラジオ、テレビ放送網建設、拡充プロジェクト計画へのアドバイスを通して途上国放送網の拡充に貢献した。
7 鈴木 敬久/元国際電信電話株式会社  庶務部長
政府計画集団・個別研修員の受入,専門家・青年海外協力隊の派遣、覚書による職員交換計画の策定等に従事し電気通信分野の国際協力に貢献。
8 速水 昭三/(財)電波技術協会 常務理事
JICA本部でラジオ・テレビ放送網拡充計画に携わり、インドネシアでテレビ放送網全国拡充計画策定に、及びフィリピンで電気通信訓練センターでチームリーダーとして技術指導を行い途上国の電気通信・放送の発展に貢献。
9 深井 保/元日本コムシス株式会社  海外本部 アジア地域支配人
タイ、クウェート、マレーシア等で電気通信施設業務に携わり途上国の電気通信開発に貢献。