平成9(1997)年度 受賞者功績概要

一般賞(9人)
1 小野 欽司/ 学術情報センター
1993年にITU電気通信標準化部門において新設された、電気通信標準化アドバイザリーグループ(TSAG)の初代副議長に選出され、ITU-T活動の優先順位および戦略の見直し、作業計画実施の進展の見直し、研究委員会への指針の付与、および他の部門および標準化機関等との協力・調整を促進するために、各国間の意見を調整・活動を推進すると共に、国内においては10年の長きに渡り電気通信技術審議会の専門委員として活躍し、世界及びわが国の電気通信標準化活動に貢献した。
2 川尻 矗大/ 日本レコードマネージメント株式会社/システム開発事業部
1985年より1995年の長きにわたりCCIR/ITU-R、世界無線通信主管庁会議/世界無線通信会議(WARC/WRC)の諸会合に参加し、無線通信における科学業務、主として宇宙研究・電波天文、科学業務分野の周波数に着いて、他業務との共用の検討、寄与文書の作成等に尽力し、宇宙業務・衛星間業務と固定・移動業務との周波数共用による電波の有効利用、有人宇宙活動用周波数割当てなど、周波数の新規業務への分配に多大の貢献をした。
3 熊田 純二/ 日本放送協会/ 放送技術研究所
1987年以来、ITU-R SG11(テレビジョン放送)関連の各種会合に参加し、高精細度テレビ(ハイビジョン)に関する事項を中心に、多数の勧告作成に貢献すると共に、わが国および米国等のHDTV規格成立に多大の貢献をした。1995年からは、ITU-Rにおける画質評価についての審議を行う作業部会:WP11Eの副議長を務め、画質評価に関する数多くの提案を行うなど、ITU活動に寄与している。
4 佐々木 秋穗/ (社)電波産業会/ 研究開発本部
次世代の移動通信システムであるIMT-2000/FPLMTSに関する研究が開始された1985年当初より、これを研究するCCIR SG8 IWP8/13(現ITU-R TG8/1)に、わが国代表団の副団長・団長として17回にわたり参加。またTG8/1のWG議長として、IMT-2000/FPLMTSの勧告作成に多大の貢献を果たした。最近は第3地域のスペシャルラポータとして、地域の意見や活動の取り纏めに尽力している。
5 二木 實/ 日本電気エンジニアリング株式会社
1966年から在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官として4年間駐在を始め、平成3年からのITU事務総局長の私的諮問機関委員会(WTAC)に参加するに至るまで、全権委員会議、管理理事会、無線通信主管庁会議、電信電話主管庁会議およびテレコム関係などITUの諸会議会合に参加し、わが国の提案実現、円滑な議事運営、大所高所からのITU機能強化、21世紀に向けたビジョンづくり等に貢献した。
6 藤岡 雅宣/ 国際電信電話株式会社/ 交換サービス技術部
ITU-TのSG11(交換と信号要求条件)の標準化活動に1982年以降14年にわたり参加し、数十件の寄書を提出して、ISDNの国際間・局間およびユーザ・網インタフェースの信号方式規定を中心に、移動体通信やインテリジェントネットワークの技術標準を含め幅広い事項に渡る数多くの提案を行い、世界標準かに多大な貢献を行った。この間、スペシャルラポータ、サブワーキングパーティ議長、プログラムマネジメントグループ議長を務め、勧告作成に寄与した。
7 松下 正彦/ 日本電信電話株式会社/ 情報通信研究所
伝送技術、ネットワーク管理技術の専門家として、通算14年間に渡りITU-Tの標準化活動に参加し、この間SG4(ネットワーク保守)の副議長、同SG第1作業部会議長を2期にわたり務め、同作業部会から計約20件に上る新・改訂勧告を作成、寄与する一方、同SGのTMN専門家会合に出席し、勧告草案作成のエディタ等を務め、TMNの主要勧告作成に多大の貢献をした。
8 米澤 允克/ 日本放送協会
郵政省在職中、ITU・国際電気通信衛星機構(インテルサット)等国際機関の諸会議に参加し、特に1979年のITU第34会期管理理事会においては副議長として、CCIR専門事務局の組織改正、国際周波数登録委員会におけるコンピュータの利用拡大、第35会期においては議長として、連合経費の分担方法、出版政策等の決定などに主体的役割を果たしたほか、国際海事衛星機構(インマルサット)の設立、国内におけるITU活動の推進等に多大の貢献をした。
9 関 祥行/ 株式会社フジテレビジョン  媒体開発局
1979年の世界無線通信主管庁会議から1991年のITU-R放送関連WP/TG会合までの13年間に渡り、ITUにおいて放送関連の国際業純化活動に民間放送連盟を代表して日本代表団に参画し、HDTVスタジオ規格、データ放送、ディジタルビデオインタフェース、HDTVインタフェース等の勧告作成に寄与、放送の発展に貢献すると共に、今日の民放界におけるITU活動の礎を築いた。
国際協力賞(8人)
1 大野 寛/元日本情報通信コンサルティング株式会社/ 海外事業部 専門部長
30年余り海外コンサルタント業務に従事し、プロジェクト発掘から工事実施まで携わり,15カ国に及ぶプロジェクトの完成に貢献した。
2 河野 朝次/元株式会社日本電気インターナショナルトレーニング 取締役技師長
ペルー国運輸通信省に入省し衛星地球局の入札図書作成と工事に携わり、通信会社国有化のための通信法作成に携わり国有化に貢献した。
3 駒形 郁雄/元日本情報通信コンサルティング株式会社  エンジニアリング本部 専門部長
電気通信コンサルタントとして30年以上に亘りアジア、中東、アフリカ、中南米においてマイクロ回線工事の事前調査から工事監理に従事する。フィリピンではプロジェクトマネージャーとしてコンサルタントチームを指揮し工事を完成させ同国電気通信総局幹部より高い評価を受けた。
4 杉山 安一/元日本電信電話株式会社  国際部 担当部長
パキスタンで搬送電話の技術指導、フィリピンおよびタイで電気通信網計画の工事仕様書等を作成、ウズベキスタンで通信行政の問題点の解決にあたった。
5 豊田 暹/元株式会社NHKアイテック 技術部長
ペルーで第一次テレビ放送網拡充計画に尽力した。ミャンマー、リベリア、ガーナ、ラオス、キルギス等8カ国のラジオ、テレビ局の施設整備、放送網整備、技術指導、放送設備拡充・改善計画に携わり多大な成果をあげた。
6 船橋 友一郎/元国際電信電話株式会社  海外協力部 調査役
クウェート通信省でトラフィック疎通管理および設備調達の入札図書の作成等の指導したほか、パラグイア、チュニジア、パキスタン等で電気通信・放送拡充計画プロジェクトに携わり国際通信の向上に寄与した。
7 山形 進/NTTインターナショナル株式会社  マルチメディアシステム部 担当部長
メキシコおよびペルーの電気通信訓練センターで無線システムの教官を務め、訓練機材の設置、教材の作成および教官の指導育成を通じてセンター業務を軌道に乗せ両国の電気通信発展に尽くした。
8 横山 義晴/三和大榮電気工業株式会社  海外施設部 第二施設課長
10年余に亘り、中南米およびアフリカの途上国11カ国において無線設備を中心に電気通信設備の建設プロジェクトに参画し、この間現地工事会社の技術者を技術指導し、プロジェクトを円滑に推進した。