ITUの国際標準は、どのような位置づけですか?

 情報通信における国際標準には、デジュール標準、フォーラム標準、デファクト標準の3種類があります。ITUやISOなどは、デジュール標準に位置づけられ、”de jure “はラテン語で、「法律上で正式の」という意味です。とりわけ、情報通信分野では、電波(周波数)の割り当てや無線通信の方式など国際的な取り決めを必要し、また内外の通信システムにおける相互接続や相互運用などの統一した取り決めが必要となっています。
 フォーラム標準は、先端技術分野において、複数の企業などが集まり、フォーラムと呼ばれる組織が結成され、その組織が業界の実質的な標準をつくるものです。
デファクト標準は、市場で多くの人に受け入れられることにより標準になったものをいいます。

標準化種別 デジュール標準 フォーラム標準
標準化団体 ITU ISO/IEC IEEE IETF
メンバー 主に国の代表 主に国の代表 個人 ユーザ
合意・実装先行 合意先行 合意先行 並行 実装先行

発行までの期間

 

長い

 

一般的には長い
短縮可能

中程度

 

なし

 

知的所有権 RAND、無償 RAND、無償 RAND、無償

基本的には放棄、
RAND

決定方法                 2カ国以上の反対なし 2/3以上の賛成、反対が投票総数の1/4以下 出席者の75%以上の賛成

ラフコンセンサス

 

  • メンバーとは、投票権を有する参加者のことを示す。通常、国際標準機関では、各国の意見をまとめた上で提案・投票することが求められる。
  • 合意/実装先行とは、標準プロセスの中で仕様を審議し、合意を形成したうえで実装を待つ場合と実装された実績のある技術を標準として採用する場合がある。
  • 発行までは一般に、Study GroupやWorking Group等の下部組織での審議から始まり、上位組織での数段階の承認プロセスを経ることになる。
  • 知的所有権に関しては、いずれもRAND条件を課している。(RAND:Reasonable And Non-Discrimanatory)
  • 決定方法として投票により決定されるものが多いが、得られた賛成票数や反対票数により成立しない場合もある。

            参考文献:ICT国際標準化推進ガイドライン(総務省)