平成30(2018)年度 受賞者功績概要

総務大臣賞(1件)
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井上 友二/トヨタIT開発センター
 NTT入社以来、通信網構成技術や伝送技術の研究開発等、多年に渡り情報通信業務に携わるとともに標準化活動に従事。以来ITU-T等の国際標準化活動に取組み、IEEEフェロー及びNTT標準化部門の責任者として産業界をリードし、我が国のITU活動の取組みを世界にアピールしてきた。また、国内規格策定や情報通信審議会専門委員として、我が国の方針決定の中心的な役割を担うなど、多大な貢献をした。特に、アジアへの国際展開や標準化活動人材の育成に多大な貢献をした事は特筆に値するものである。
日本ITU協会賞 特別賞(1件)

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マハビール・プン/Nepal Wireless, E-Networking Research and Development(ENRD)
 2002年ネパールにおいて僻地にWiFi技術を活用したインターネット接続が実現したことをきっかけに、全国規模の無線通信ネットワークの構築を推進。15地方、200村が接続できるように尽力。それを活用した遠隔医療、遠隔教育、通信サービスやeコマースの提供等、現地の発展に多大な貢献をした。2009年以降、APTやITUのプロジェクトにも参画。その熱意と献身的な努力に加え、我が国関係者との協力体制が構築された事は特筆に値し、今後も継続した信頼関係発展に寄与するものと期待される。
日本ITU協会賞 功績賞(14件)
1 今川 眞治/平岩建設株式会社
 長期に渡り国内外の情報電気通信業務に従事。計画、企画、設計、施工、管理、保守、運営、研修の経験を活かし、主に技術的な面でODA、JICA/APT等の事業を通して、途上国の情報電気通信の発展に貢献した。
2 岩田 秀行/日本電信電話株式会社
 ASTAP EG BSG(Bridging Standardization Gap)副議長として、APTプロジェクトで実施した社会的課題解決ソリューション普及に向け、ソリューション利用標準の策定を行った。また、WSISフォーラムやITUテレコムでの利用標準の普及活動に貢献した。
3 小川 博世/国立研究開発法人情報通信研究機構
 ITU-R SG5会合に参加し、ミリ波帯近接無線通信に関するレポート・勧告策定に貢献。近年では、ミリ波・テラヘルツ波の有効活用に向けて、SGを跨いで幅広く活動・貢献した。
4 金井 邦臣/東日本電信電話株式会社
 JICA専門家としてヨルダン電話公社で伝送技術移転及び保全管理方式の構築を行った。また、インドネシア、アンゴラ等の電気通信網拡充プロジェクトでコンサルティング業務を行い、それぞれの国の電気通信発展に貢献した。
5 鬼頭 英二/日本電気株式会社
 ITU-R WP5DにおいてIMT-2000、IMT-Advanced、IMT-2020に関するITU-R勧告及び報告策定等に向けた活動に貢献。中でもIMT-2000の追加所要スペクトラムレポートの完成、IMT-Advancedの評価手法の完成や実行等に大きく貢献し、日本提案の主導的役目を果たした。
6 鬼頭 孝嗣/KDDI株式会社
 3GPP2/3GPPやITU-T SG2における、サービス要件や移動機識別子/SIMカード番号や国際移動体加入者識別子に関わる技術仕様・技術資料・勧告の作成や改訂へ多大な功績を残した。また、3GPP2の運営に寄与し、新識別子への円滑な移行を牽引した。
7 榮 浩三/株式会社NTTドコモ
 ITU-Tにおいて、オペレータ要求条件に基づくSDH/ATM伝送装置管理用情報定義、管理IFの高機能化に貢献。ETSI、3GPPではMANOを用いた仮想化網管理の効率化、高機能化と両団体間の仕様作成における連携に貢献した。
8 鈴木 謙一/日本電信電話株式会社
 IEEE802.3とIEEE1904.1において、10G-EPONの標準化に貢献するとともにEPON日本仕様のITU-T標準化に貢献。また、APT/ITU C&Iイベントでの10G-EPONの相互接続試験のデモを行い普及に貢献した。
9 陳 嵐/株式会社NTTドコモ
 3GPP標準化活動を中心に従事し、世界各国で導入が進む5G New Radio及びeLTE技術の仕様作成に大きく貢献。4.8-5.0GHzを中国5G周波数帯に盛込みを促進し、日中共通周波数帯ハーモナイゼーションを推進した。
10 中川 章/株式会社富士通研究所
 ITU-T H.264映像符号化技術の開発及び実用化による世界規模でのHD映像普及へ大きく貢献。ITU-T SG16において、ITU-Tの動画像国際標準化(H.263、H.264、H.265)に長年に渡り主導的役割で貢献した。
11 永沼 美保/日本電気株式会社
 2000年代前半からのITU-T、ASTAP等でのセキュリティ標準化の主導に加え、2014年からはITU-D SG2(課題3)において副ラポータを担当しており、ワークショップ主催やベストプラクティスの共有促進等により開発途上国へのサイバーセキュリティの認知向上、啓発活動へも貢献した。
12 西本 修一/株式会社エフエム東京
 ITU-D SG1「ルーラル及び遠隔地域のための電気通信」のラポータ会合の議長を務めるとともに議論を推進し、研究活動を牽引した。各国の実情を踏まえたデジタルデバイド解消に向けた報告書作成を主導的に進め、ルーラル網を構築しようとする途上国の疑問・要望に応えるものと高く評価されている。
13 八田 利弘/株式会社NTTデータ
 ICT専門家として、ASEAN防災・人道支援調整センターのシステム構築への技術的支援や関係職員の人材育成に尽力。特にASEANにおける自然災害や緊急事態発生時のICTを活用した対応能力の向上に貢献した。
14 渡辺 栄一/特定非営利活動法人(認定NPO法人)BHNテレコム支援協議会
 20年以上、JICA、NTT、BHNでアフリカや東南アジア諸国の情報通信分野での国際協力に従事し、通信網の拡充及び人材育成に貢献。現在はミャンマーで情報伝達システムを活用した住民の生活環境改善・防災支援事業に取り組んでいる。
日本ITU協会賞 奨励賞(16件)
1 阿部 元洋/株式会社NTTドコモ
 VoLTEローミング方式の標準仕様策定を主導。GSMAにてM2Mに特化したローミングガイドラインの提案や、固定網と移動網の接続を検討するグループの議長として標準化に貢献。今後IoT分野、5Gの次世代ネットワークへの国際標準化活動への貢献が期待できる。
2 市ヶ谷 敦郎・岩村 俊輔・根本 慎平/日本放送協会
 ITU-T SG16/WP3/Q.6とMPEGの共同作業班においてITU-T勧告H.265、264のHDR拡張及び補助文書策定に貢献。HD/UHDのデジタルENGにおけるユーザー要求を明らかにしBT.1872改訂に貢献。今後の活動が期待される。
3 市川 貢市/株式会社NTT東日本−南関東
 タンザニアのケーブル保守改善やタイ国・ベトナム国の通信網構築支援で通信技術向上に貢献。現在は設備部に所属し、海外通信キャリア向けに技術情報等を提供し、技術向上に貢献中。今後、国際分野での活躍が期待できる。
4 岩谷 純一/日本電信電話株式会社
 IEEE 802.11のTGax会合にて、次期高効率無線LAN(802.11ax)の標準化の進捗に貢献。またITU-R WP 5A会合に日本代表団として参加し、5GHz帯無線LANの屋外利用拡大に向けた取組に尽力し、2019年世界無線通信会議(WRC-19)議題1.16に関する議論にも大きく貢献している。
5 内野 徹/株式会社NTTドコモ
 LTE-A、IoT及び5Gの標準化において、無線I/Fプロトコルの技術議論を主導して仕様策定を行うとともに、ラポータ等のとりまとめ役を務め、3GPP標準化活動に対し多大な貢献。今後上位のサービスも意識した技術提案、交渉にリーダーシップを期待される。
6 岡部 伸雄/元 シャープ株式会社
 ペルーにおける日本の地上デジタル放送(ISDB-T)の普及促進や、緊急警報放送システム(EWBS)の導入・普及を支援するとともに、国民への周知活動や現地技術者の育成に大きく貢献した。
7 尾原 誠明/KDDI株式会社
 3GPP標準化活動において、Carrier Aggregation(CA)機能の無線周波数仕様策定にかかるラポータを務めることで標準化をリードし、同機能を国内初の商用サービス提供に繋げるなど、我が国の情報通信技術発展へ貢献。CAは周波数の能率的な利用を確保する技術のひとつとして認識されている。
8 小林 中/日本電気株式会社
 ITU-D新会期でのSmart Societyの研究の発展的継続の提案を、APT準備会合及びWTDC-17本会合で行い、最終合意を獲得。さらにQ1/2の次期副ラポータとして途上国支援に繋げた研究推進が期待できる。
9 清水 智行/株式会社KDDI総合研究所
 ITU-T SG9 Q1ラポータとして日本の次世代ケーブルテレビ技術仕様の国際標準化及び北米・欧州の国際標準との整合性の向上を主導。今後もITU-T勧告化に向けた作業項目の取りまとめや外部機関との連携に継続的な貢献が期待される。
10 中川 真帆/富士通株式会社
 ミャンマーのICT高等教育におけるデジタルデバイドの解消を目指したパイロットプロジェクトに参画。大学への技術移転、人材育成を通してICT利活用を推進してきた。さらにアジア途上国における教育分野での活躍が期待できる。
11 根岸 聡/日本放送協会
 地デジ導入方法に関するITUハンドブックの取りまとめに大きく貢献したほか、4K・8Kを衛星放送で伝送する方式であるISDB-S3に関する勧告・レポートの策定に寄与する等、幅広い視点からITUの標準化活動に貢献。今後も我が国の周波数共用検討を技術的観点から主導するとともに、世界放送技術の先導が期待される。
12 原田 恵/日本電信電話株式会社
 oneM2Mにおいて、OMAのGotAPIのヘルスケアデバイスの情報モデルとoneM2MのIoTデバイスの情報モデルのマッピング仕様を完成し、モバイルを活用したヘルスケアサービス実現に向けた標準化に貢献。今後も引き続きさらなるIoTの発展に寄与することが期待される。
13 原田 浩樹/株式会社NTTドコモ
 3GPP標準化において、LTE/LTE-Advancedのスモールセル向け拡張技術やアンライセンスバンド利用技術、5Gの無線アクセス技術における技術議論を主導するなど、世界的に注目度・期待度の高い技術仕様の早期策定に貢献。引き続きモバイル技術・産業の発展に寄与することが期待される。
14 宮崎 真実/東日本電信電話株式会社
 インドネシアのFTTH構築に関する技術支援により、同国のFTTHの普及・発展に貢献。現在は保守・運用の技術支援を行い、更なるFTTH環境充実化に向け、引き続き国際分野での活躍が期待できる。
15 メロディ・インターナショナル株式会社
 安心安全な出産を望む全ての妊産婦と医師、助産師の健康管理コミュニケーションプラットフォームとクラウド型胎児心拍計・子宮収縮計の開発・導入等、途上国市場で、遠隔医療の発展を進めている。ICTを活用したビジネスに今後一層の展開が期待できる。
16 山田 徹/日本電気株式会社
 ITU-T SG20等の場でスマートシティ分野のユースケースの入力により標準化に寄与。ASTAPにおいては2017年8月よりEG IOT議長の役職に就任し、今後ますますの標準化活動への貢献が期待される。

 

以上